「き」組み

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東馬込の家(パッケージプラン)

2017年9月9日

木組のプロトタイプの家が竣工いたしました。最もシンプルで標準化された家です。

ワークショップ「き」組が自信を持って提案する、地震に粘り強く、準耐火建築物として火にも強く、しかも断熱性能のよい省エネ住宅です。

さらに「足固め・貫」「フラットベット基礎」などの伝統的な耐震の工夫に加えて、新防火地区の「燃えしろ設計」です。

地震に強い伝統の木組にくわえて温熱性能の向上を目指し、次世代エネルギー基準を超える断熱基準のG2レベル(UA値0.44)を確保しました。

気密測定ではC値0.5を計測しています。

燃えしろ設計の構造材は、吉野の「中央木材」石橋さんの提供です。なんとすべてJAS材で揃えてくれました。

木組のプロトタイプでありながら、高レベルの断熱性能を保持します。

ワークショップ「き」組のつくる家は、日本の古民家に学んだ、「進化する木組の家」です。

 

深い軒で夏の日差しを遮り、冬の日差しは家の奥まで取り込みます。

上下に風の道をつくり、風のない夏の日も空気がゆらぎます。

エアコン1台で家中を温めることのできるパッシブな木組の家ができました。

 

 

                     

 

 

現行の省エネ基準の上をいくHEAT20のG2レベルの外皮性能を確保しています。

冷房機(夏)の日差しが強く暑い日には、日射が家にあまり入らず、

暖房機(冬)の寒い時期には、日射がたっぷり入ります。

冷暖房を始め、換気、給湯、照明などの設備機器のエネルギーを熱量換算した1次エネルギー消費量も基準値を大きく下回るエコな家づくりが実現できました。

特に冷暖房と給湯のエネルギー削減に成功しており、日射取得の状況と併せてみるとパッシブかつエコな木組の家と言えます。

 

 


「フラットベッド基礎」

ベタ基礎の一種で、建物の荷重を分散して地面に伝えます。

また、コンクリートを立上げずスッキリとした通気の良い床下環境を作ります。

 

地震に強い土台併用「足固め」

民家などの床組に多く用いられてきた「足固め」の役割に加えて、

土台と併用することで軸組の足元をしっかりと固め、柱の引き抜きにも抵抗します。

 

建方の様子 :粘り強い「貫」の壁

「足固め」に加え「貫」もまた伝統的な民家で使われ続けてきた構法の1つです。

災害時には、変形しながらも倒壊することなく生存空間を確保することができる、粘り強い耐震性のある構法といえます。

 

2020年のウッドデザイン賞で奨励賞を受賞しました。

 

▼概要
竣工 2017年7月
設計 松井郁夫建築設計事務所
施工 キューブワン・ハウジング
吉野中央木材
▼仕様
面積 1階面積 52.88m2(16坪)
2階面積 45.99m2(14坪)
延べ面積 102.44m2(30坪)
主な仕様 構造材 桧、杉
構法 門型架構、足固め・貫構法・燃えしろ
断熱(外張断熱) 基礎断熱工法 屋根:100mm断熱 壁:108mm断熱 屋根通気構法
外部 屋根:ガルバリウム鋼板瓦棒葺き  外壁:藁入り土壁風モルタル塗り
開口部 樹脂サッシ(ペアガラス)
内部 天井:杉無垢板貼  内部:土壁、漆喰塗り  床:桧無垢板貼
設備 システムキッチン 
事例集, パッケージプラン「四角い家」, 関東, 松井郁夫建築設計事務所(設計士/東京都), キューブワン・ハウジング(工務店/東京都)

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