「き」組み

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勉強会

2007年度「木組のデザイン」ゼミナール

2007年11月25日

最終講義 11月25日

午前 木組講座
「パースとスケッチ」

最終講義の日は冷えこみましたが、いい天気に恵まれました。
4月から7回にわたって行われた木組ゼミ。
アイディアスケッチから始まり、デッサンを経て、ベテラン講師陣による木組の家を作るための基礎知識や知恵の講義を受け、それらを踏まえた上で材料を拾い、模型をつくりました。
午前中は模型の仕上げです。作業の済んだ人は講師の松井からパース画の描き方の講義を受けました。
ス ケッチやパース画は建主さんにイメージを伝える大切なツールであるとともに、いい空間をつくるための大事な手がかりになります。実際に手を動かして絵を描 くことは、家全体の空間を捉えるには最もいい手段です。住みはじめ、生活しているときの心持は、家全体の雰囲気をどうデザインしていくかにかかっていま す。美術講座はそのための基本を学ぶためのものでした。

午後 木組講座
「講評会」

皆、同じ条件で木組の設計をしたので、一人一人の家の違いがとても面白く現れる講評会。
図 面をプロジェクターで出力し、模型を前に置いて一人づつプレゼンします。今回の4期生のなかには工務店の社長さんもいらっしゃり、課題とは別に、木組ゼミ に通い始めてから講義で習ったことを実践して木組の家を1棟建てたということでした。プレゼンのときに竣工した写真も上映していただきました。
皆さん、木組の家で構造と間取りを合致させることを念頭に置いた設計をし、とても勉強になったと好評のうちに今回の木組ゼミも幕を下ろしました。
そのあとは全員で懇親会に行きました。懇親会では今回の講義を踏襲し、次のステップとしてデザインを主にした「木組ゼミ上級コース」開講の話も持ち上がりました。
今後も木組ゼミでの経験を活かして、全国にいい木組の家を増やしていってもらいたいと思っています。

第6回 10月21日

午前 木組講座
「水平構面と耐力壁」

ついに今年も残すところあと2回。皆さん、自分の力になっているという実感はついてきましたでしょうか?
午前中は宮越喜彦さんによる水平構面を耐力壁についての講義です。「耐力壁オリンピック」の動画をプロジェクターで再生しながらの講義は、とてもわかりやすいものでした。
木組の耐震をしっかりやるために、ここはきちんと抑えておかなくてはならない重要なところです。

午後 木組講座
「軸組模型」

自分の伏図から木拾いをして発注した部材を受けとり、いよいよ軸組模型の制作に入ります。
伏図から木拾い、木拾いから発注、届いた部材を刻むというのは、実際の工程と同じです。
木組の架構を良く知るためには、軸組模型は最高の勉強です。骨組みの印象は、その建物の命。立体になって初めて伝わってくる建物の雰囲気をよく感じて、その後の設計に活かすことが大切です。
皆さん一本一本丁寧に木を切って、図面と照らしあわしていました。どんな家になるか楽しみです。
次回はいよいよ最終講義。発表と講評です。

第5回 9月10日

午前 木組講座
「矩計(かなばかり)について」

9月10日は、台風が過ぎ去ったあとの晴天でした。
午前は小林一元さんの矩計図についての講義です。
矩計図とは建物の高さを示す図で、平面計画に実際に高さを与える大切な図面です。
金物を使う在来工法と、木組の伝統構法では矩計の考え方が異なります。梁を見せる木組のやり方に比べて、接合部の金物を天井を張って隠す在来工法では、どうしても建物の背が高くなっていきます。
小林一元さんがそれを図で比較して、わかりやすく説明しました。

午後 木組講座
「伏図」

前回に引き続き伏図を描いていきます。
事務所の軸組模型を見ながら伏図を描き、そこから木拾いをします。何メートルの材木が何本必要なのかを数え、1:50の軸組模型に置き換えて、材の本数を書き出します。その材を使って、自分の軸組模型をつくります。
実際に一軒の家をたてる流れを、体験するというわけです。
次回はいよいよ軸組模型をつくりはじめます。

第4回 8月19日

午前 木組講座
「伏図、梁組について」

7月は大型台風の影響で交通機関が停止したため、第4回の講義は8月19日に繰り越されました。
今回は木組の家を造るうえで、とても重要な図面である伏図についての講義です。
伏図とは、建物の骨組みの構造を表した図面のことで、床伏図、小屋伏図などがあり、柱や梁組の位置関係を示すため、木組の仕事ではこの伏図を考えることが大きな意味を持ちます。
午前中は小林一元さんと宮越喜彦さんにによる、構造や梁組についての講義が行われました。

午後 木組講座
「伏図の描き方」

午後は実際に伏図を描いていきます。
描き方の説明のあと、第1回講義で描いた「木組のミニマムハウス」のスケッチから、伏図を描き起こしていきます。事務所にある軸組模型を参考に、みなさん真剣に取り組んでいました。
次回は引続き伏図の描き方と矩計(かなばかり)についてです。

第3回 6月17日

午前 美術講座
「静物デッサン(講評)」

17日は気持のいい夏の陽気でした。
午前中は、前回に引き続き「静物デッサン」です。1ヶ月も前に描いた自分のデッサンは、改めて新鮮に映るものです。皆さん時間一杯まで懸命に描きました。
完 成した絵は講評します。どのくらいの時間をかけてモチーフを見ているかは、出来た絵をみるとわかるものです。慣れてくるとあまりものを見ないで描くように なってくるものですが、ゼミの皆さんはしっかり時間をかけて観察しているのがわかりました。今後も何かとエスキースをとるようにすると、構図や線の強弱に 気をつけるようになると思います。それは設計するとき、空間を考えていく上で、必ず重要な「とっかかり」になります。是非これからも続けてみてください。

午後 木組講座
「地盤、基礎、土台、柱」

木住研 主宰               宮越喜彦
小林一元建築設計室          小林一元

午後は写真資料のスライドを見ながらの講義です。
木住研の宮越さんから、地盤や基礎の考え方、調査の仕方、作り方など、実践的な内容のお話がありました。地盤や基礎の話は、実際に仕事の上で悩んでおられる方もいて、とても好評でした。

土台と柱の話は、小林一元さん。
土台は本来足固めがあれば必要とされない部材でありながら、木組の場合では大黒柱に土台を挿すなどして足固め的に使うほうが、より丈夫になるというお話でした。
次回はいよいよ伏図を描いて、木の拾いをします。

第2回 5月20日

午前 美術講座
「静物デッサン」

今回の授業は「静物デッサン」をしました。
CAD化の進んだ今では手描きの技術は衰退していっていますが、不思議なことに手で描いていないと捕まえられないイメージというのがあります。
「デッ サン」はなにも画家になるためにするものではなくて、「視る訓練」です。何時間も同じものを見る機会というのは、日常を送っていると意外に少ないもので、 いざ、じっと視てみると自分とモチーフの間になんとなく何かあるような気がしてきます。建物を観たり、町並みを感じたりしたときに、自分の中に何かがおき ていることに気付くために、目を訓練するわけです。
実際に施工する職人さんに、細かな説明をするときにも、図が描けたほうがずっとスムーズに意図が伝わります。皆さんほとんど初めての経験ということもあって、素直に対象を視ることができたのではないでしょうか。来月もこの続きをやって講評をします。

午後 木組講座
「架構と間取り」

小林一元建築設計室          小林一元

午後は講師陣による木組の講義です。
小林一元さんの「架構と間取り」について、快適で機能的な間取りを木組の架構と合致させるには、どう考えていけばいいのか、スライドを交えてのお話です。小林さんのお話は毎回とてもわかりやすく、学生さんからプロの方まで実践的でためになる内容の講義でした。

「伝統的木造技術の変遷と継承―――ものとの対話」

風基建設株式会社            渡邊 隆

風基建設は重要文化財や社寺仏閣の改修工事、大規模な木造施設の施工などを手がける、伝統構法に精通した工務店です。伝統的な木造の技術がどのような歴史を辿り、どのように残ってきたのかを、貴重なスライドとともに講義しました。文化財や社寺建築の改修の現場の、滅多に聞くことの出来ないお話は、講義が終わってからも懇親会の中で続けられました。

第1回 4月15日

「木組のミニマムハウス」

今年で4回目を迎える木組ゼミ。今回の受講生はプロの方が多く、初回から密度の濃い授業になりました。
はじめの授業は「木組のミニマムハウス」。与えられた条件のなかで1:100のアイディアスケッチを描きます。8月にはこのスケッチを元に、実際に軸組み模型を作ります。
講評がおわると木組ゼミ恒例の懇親会。今回は講師陣が熱く語るだけでなく、実際に何軒も家を建ててこられた受講生の方達との貴重な意見交換の場になりました。今年の木組ゼミは大いに盛り上がりそうな予感がします。

2007年度

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