「吉祥寺の家4」内覧会 盛況でした
2017年3月1日
「吉祥寺の家4」オーローズの椅子と松井郁夫オリジナルテーブル
「吉祥寺の家4」内覧会 お子様連れのご家族来場
南雄三さん来場
「吉祥寺の家4」完成内覧会にお運びのみなさま、ありがとうございました。おかげさまで盛況のうちに終了いたしました。
当日は、お子様連れのご家族や現在設計中の建主様や「木組ゼミ」の受講生など、様々な方のご参加をいただきました。
来場の皆様からは「木の香りがすごい!」「居心地のいい家ですね」「細かいところまで配慮されている」など、たくさんのご感想をいただきました。
これを励みに、これからも「民家のようなしっかりした架構に生活しやすい空間づくり」を目標に、「木組の家」をみなさまにお届けできればと思います。
建主さんをはじめ、キューブワンハウジングのみなさま、家具を展示していただいた青山のオーローズさん、お世話になりました。ありがとうございました。
友人の住宅評論家・南雄三さんから届いた感想を掲載させていただきます。
「 昨日、建築家・松井郁夫さん(http://matsui-ikuo.jp )設計の新築住宅を見学してきました。吉祥寺の閑静で普通の住宅街にある小さな土地。そこに一目で松井作品とわかる外観。媚びらず、奢らず。
松井さんのデザインは木造軸組を生かした落ち着きと清々しさ。そこには無理のない生活感が漂っていて、建築家の作品にありがちな「生活から外れた圧迫」「押しつける美」のようなものがありません。でも生活に負けないきれいさがあって、私としてはそこを盗みたいところですが、息子の匠さんは惜しげも無く教えてくれました。よくみる、新建材で囲われ、キッチンやソファや暖炉が楽しそうな家は、内に向いて、部屋の中に生活者が押し込まれたような雰囲気。
この閉鎖感と松井作品の居心地の質の違いはいったいなんだ?・・しばらく考えてしまいました。
松井作品は梁の上が開放で、屋根の勾配や隣の部屋のロフトに視線が広がっていきます。居間も一部を吹抜にして陽をいれ、柱と柱の間にある大きな窓から部屋を外に広げています。このつながる絵が素直で心地よく・・これは梁や柱が囲う限定の中にある開放感。
新建材で大壁・真っ白な家はこのワザが使えないから、大きな吹抜をつくってダイナミックな大空間に走ります。私の目に「生活」がみえてこないのはこの大空間で、一瞬の面白さはあっても、ダラダラする生活の中で自然な空気になるとは思えません。
新建材の家の居心地は「物」で松井さんの居心地は「空気」だと読めました。前者はゴテゴテのインテリアや凸凹な空間、そして雑貨のカワイイを楽しむ居心地で、自分が物に遊ばされています。一方、松井作品は柱・梁の限定が空間をつくり、その圧迫を「空き」で消していく。なにもない空間の中、居るのはシンプルに自分で、自分が自分を遊ぶ。
柱・梁の面白さといっても「骨太の木」自慢ではなく、伝統木造がごつくなるのを嫌って、ディテールで徹底的に華奢を追求しく結果・・どんどん壁は透き通っていき、ますます物から遠ざかっていきます。
こうした家を描く建築家は断熱嫌いが多いのですが、この家はHEAT20のG1レベルで、C値も0.8㎠/㎡の高性能。壁は貫構造なのでグラスウール75㎜、屋根はフェノール外張り100㎜。窓は樹脂アルミLow-E。床エアコン暖房で高窓からの通風も備わっています。」
南さん遠路、お運びいただいたばかりか素敵なコメントをありがとうございました。
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【完成】吉祥寺の家4